マウスピースを使うと本当にいびきが減るのですか?

マウスピースを使用すると、多くの場合、いびきが減少すると報告されていますが、この効果は人によって異なります。いびきは睡眠中に舌や他の軟組織が気道を部分的に塞ぐことによって発生します。これにより、空気の通り道が狭まり、呼吸が困難になるため、いびきの音が生じるのです。いびき防止用のマウスピースは、下顎を適度に前方に保持することで、気道を広げる助けとなります。これは、呼吸時に空気の流れがスムーズになることを意味し、結果的にいびきの発生頻度や音量が減少する可能性があります。

さらに、マウスピースの使用は、睡眠の質を向上させる副次的な効果も期待できます。いびきが軽減されることで、より深い睡眠を得ることが可能となり、日中の疲れや集中力の低下が改善されるかもしれません。しかし、マウスピースがすべての人に効果的であるとは限らないため、個々の体質やいびきの原因によってその効果は異なります。特に、顎の位置や口腔内の構造に個人差があるため、マウスピースが完全にフィットしない場合もあります。このような場合、カスタムメイドのマウスピースを歯科医師と相談することで、より高い効果が得られる可能性があります。

また、いびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS)の一つの兆候であることがあります。この症状は、単なるいびき以上に深刻で、睡眠中に呼吸が何度も停止することが特徴です。このような場合、マウスピースの使用だけでなく、CPAP(持続的気道陽圧)療法など他の治療方法が必要になることがあります。そのため、いびきが非常に大きい場合や、睡眠中に呼吸が頻繁に停止する症状が見られる場合は、専門医による診断を受けることが重要です。

専門医による評価には、睡眠ポリグラフィという検査が用いられることがあります。これは、一晩中患者の呼吸パターン、心拍数、脳波などを記録するもので、睡眠中の異常を詳細に調べることができます。この検査によって、いびきの原因が睡眠時無呼吸症候群であるかどうか、または他の要因によるものかが明らかになり、それに応じた適切な治療法が提案されるのです。

最終的に、マウスピースがいびきにどれほど効果的であるかを判断するためには、個人の具体的な症状や健康状態に基づいた評価が必要です。そのため、いびきでお悩みの方は、まずは医療機関を訪れ、専門的な意見を聞いてみることが推奨されます。