デンタルマウスピースは歯やあごの諸症状を改善するために、どなたでも気軽に取り入れられる治療方法のひとつです。ただし、気軽に取り入れられるが故に、きちんと正しい方法をとらなくては症状の改善も期待するほどではなくなってしまいます。治療として用いるからには正確に、そしてきちんと使用して、確実な効果を実感していきましょう。
デンタルマウスピースの取り入れ方
デンタルマウスピースを治療の一環として用いる方の症状は、いびき・歯ぎしり改善、歯並び矯正などさまざまです。症状に対して歯科医院から指示などもあるかと思いますが、こちらでは一般的なデンタルマウスピースの使用方法をお伝えします。
基本的にはデンタルマウスピースは就寝中に使用するのが一般的です。装着する際の手順、ポイントをご紹介します。
①装着の際は基本的には前歯から奥歯の順で入れる。
②しっかりと正しい位置に入っていることを確認して歯列全体に押し込む。
※間違った位置に入ってしまうと変形、または歯や歯茎を傷つける原因になります。
③外す際は、デンタルマウスピースの縁に指を添えて、奥歯の内側から外す。
④両サイドを一気に外すのではなくて、左右どちらか浮かせて、そして反対側を外して前歯をめくるように外す。
※無理をすると歯や歯ぐき、デンタルマウスピースを傷つける、破損させてしまう可能性があるので気をつけましょう。
※爪が長い、伸ばしている方は、爪が傷つくので、外すための補助器具、例えば小さなスプーンのような形状で外すのに適しているものを用いて外すようにしてください。
正しく装着すること、脱却させることも重要ですが、使用する際の注意点も気をつけるようにしてください。
注意ポイント ①食事
基本的にはデンタルマウスピースは食事の際には外してください。マウスピースを装着していては上手く咀嚼することができないこともありますが、食事の際にマウスピースとの間に食べた物の残りがはさまってしまい、それがマウスピース自体の劣化、破損、また歯の諸症状の悪化にもつながります。食べたものが残ってしまうと、そこから細菌が繁殖し口腔内の衛生状態を著しく悪化させます。通常ですと、唾液の殺菌成分で緩和されるのですが、マウスピースのように密着させた状態ですと唾液の流れも行き届かないため、唾液の殺菌作用の働きも悪くなります。食事の際、マウスピースは装着しないようにしましょう。
注意ポイント ②飲み物
デンタルマウスピースを装着した状態で飲み物を飲む際も、注意が必要です。原則的に水を飲むのは構いませんが、例えば果汁ジュースや、お砂糖が入っているような甘いジュース、スポーツドリンクは避けるようにしましょう。デンタルマウスピース自体の劣化や損傷につながることもありますが、デンタルマウスピースと歯との密着する間に糖分などが入り込むことによって、口腔内の環境悪化につながります。無糖のお茶なら良いかというと、お茶の成分がデンタルマウスピースに付着して、色が着いたり、やはり劣化の原因にもなります。たとえストローで飲んでも、口腔内に全く残らないということがありえませんので、万が一飲む場合は、デンタルマウスピースを外して、口腔内を清潔にしてから再びデンタルマウスピースを装着する手順を踏むようにしてください。
上記でご紹介した内容は基本的なデンタルマウスピースの使い方と、注意点です。いくら手軽とは言え、普段通りの暮らしの中に、ただ歯にはめて使用するだけではなく、その際に注意すべき点を踏まえる必要はあります。せっかくデンタルマウスピースを用いて症状の改善をはかるのですから、正しく使って、より改善の方へ向かっていってほしいものです。そのためにも、使用中に正しい方法で使うことと、使用中の注意点に気をつけるようにしてください。