肥満抑制に効く?

近年、デンタルマウスピース治療も、一般的に知られるようになりました。手軽ですぐに取り入れられる、負担が少ない点が受け入れられている大きなポイントでしょう。デンタルマウスピースを用いることで緩和される症状はさまざまありますが、その中でちょっと噂になっている「肥満抑制」も改善されるというもの。もし、これが本当ならば嬉しい効果です。では本当に肥満抑制に効果があるのか検証してみました。

デンタルマウスピースと肥満抑制との関係性を検証してみると述べましたが、最初にお伝えしておくべきこととしてデンタルマウスピース治療の効能として直接的に肥満抑制を示しているものはありません。しかし、がっかりしないでください。そもそも「なぜ肥満になるの?」を紐解くと、実はデンタルマウスピースの治療が肥満抑制に大きく関わっていることがわかってきます。

肥満の人の特徴に早食いがあります。「これは性格上の問題では?」と思うかもしれませんが、実は歯並び、噛み合わせと大きな関係があるのです。ポイントは「噛むこと」です。私たちに歯が存在している大きな理由は「咀嚼」するためです。しかし、歯並び、噛み合わせが悪くなると「咀嚼」にも悪影響が生じます。歯並びが悪い、噛み合わせが悪いと、痛みが出ることや、うまく噛みきれないので噛む回数が減り、早く飲み込む傾向になります。これが早食いです。
噛む、咀嚼は脳を伝わり満腹中枢を刺激して、満腹感を与えます。早食いになってしまうと満腹中枢が刺激されづらくなり、なかなか満腹感を得られないので、たくさん食べてしまう、多く食べてしまうことにつながり肥満の原因になります。他にも、しっかり噛むことで、唾液が分泌されて胃腸に負担のない消化吸収をするのですが、噛まないことで胃腸への負担も大きくなり、腸内環境が悪化する悪循環になります。
そのため、歯並びや噛み合わせを整えるデンタルマウスピースを用いた治療で、歯列を治すことで、食事のストレスが軽減されてしっかり噛むことができるようになります。しっかり噛むことで満腹中枢も刺激され、適量で満足感を得られ食べ過ぎを防止します。つまり、歯並び、噛み合わせを整えることで肥満抑制にも効果をもたらしてくれます。

いびきの原因はなんらかの理由で気道が狭くなり、呼吸のたびに空気が振動することです。慢性的にいびきをかいている人の特徴のひとつに肥満があります。肥満の人の傾向として、脂肪が首回りについて気道が狭くなり、舌も肥大しているので睡眠中はさらに気道をふさぎやすくなってしまいます。

睡眠中に見られる症状として歯ぎしりもあげられます。歯ぎしりの主な原因としては、ストレスや強い不安感などです。いびきや歯ぎしりをしている人は、睡眠をとっても眠りが浅いことから、疲れがとれづらいことや、心身共に十分な休養が取れていないのでストレスの原因になります。ここから自律神経が乱れやすくなり、食べ過ぎや過食の要因にもなってしまいます。デンタルマウスピース治療で、いびき、歯ぎしりを改善することができれば、自律神経も整い、質の良い睡眠からストレスも緩和され肥満抑制にも効果的をもたらしてくれます。


肥満の原因は遺伝とされることも伝えられていますが、多くの場合はストレスから引き起こされる諸症状です。なぜ、デンタルマウスピースが「肥満抑制」の効果につながっていくかと言いますと、デンタルマウスピースで改善を図る症状は全て精神的、身体的に負担をかけてストレスになっています。無意識にでもストレスになっていることが、過食や早食いなどにつながり肥満になってしまいます。デンタルマウスピースは「装着すれば痩せる!?」という単純な治療構造ではなく、肥満の根本的な原因を改善して私たちの健康を形づくってくれるものです。