矯正中の頭痛の原因と試してほしいセルフケア方法

頭痛がする女性

矯正治療中に頭痛に悩まされている方はいませんか?歯の矯正は、口元を整え、美しい笑顔や健康な噛み合わせを目指す大切なプロセスですが、治療中に頭痛が起きることがあります。この頭痛は、歯や顎の変化が神経や筋肉に影響を与えることが原因とされています。さらに、矯正装置による違和感や噛み合わせの変化が筋肉の緊張や疲労を引き起こし、肩こりや首こりを伴うこともあります。このページでは、矯正中の頭痛の主な原因と、セルフケアで緩和するための実践的な方法を詳しくご紹介します。自宅で簡単にできるケア方法を試して、矯正治療を少しでも快適に進めましょう。また、症状が続く場合や強い痛みがある場合には専門医に相談することも大切です。

目次

「矯正治療中に頭痛が起きる原因」として、以下の3つの要因が主に考えられます。

矯正治療では、歯を少しずつ移動させて理想的な位置に整えるため、歯根(歯の根元)や歯周囲の組織に持続的な力が加わります。この圧力は、歯根周囲の骨組織に影響を与え、骨が少しずつリモデリング(再構築)されていきます。
この過程で周囲の神経が刺激され、場合によっては神経に軽い炎症や圧迫が起きることがあります。この神経刺激が歯や顎に加わることで、痛みとして伝わり、頭痛として感じる場合があります。また、歯の動きに伴うわずかな血流の変化が頭痛を引き起こす可能性もあります。
特に、矯正器具を初めて装着した直後や調整が入った後に、頭痛を感じるケースが多いのはこのためです。このような頭痛は通常数日で治まりますが、持続的な痛みが続く場合は、専門医への相談が推奨されます。

矯正治療では、歯の位置が徐々に変化することで噛み合わせも変わっていきます。この噛み合わせの変化により、顎を支える筋肉に普段とは異なる負担がかかることがあり、特に顎関節周辺の筋肉が緊張することが多くあります。顎関節周りの筋肉が緊張すると、顎から首、肩にかけての筋肉も影響を受けて緊張が広がることがあります。この筋肉の緊張は肩こりや首こりとして感じられ、それが頭痛として現れることも少なくありません。
また、噛み合わせが変わることで、頭部を支える筋肉や関節のバランスも微妙に影響を受け、筋肉が疲労しやすくなります。このような筋肉疲労が慢性的なものになると、頭痛が長引くこともあります。

矯正装置にはブラケットやワイヤーが使用され、これらが口内に装着されると、締め付け感や異物感が生じます。この不快感や異物感が強いと、無意識に体が緊張しやすくなり、首や肩の筋肉がこわばることがあります。特に、矯正装置の締め付け感が続くと、肩や首の筋肉の緊張が慢性化し、これが原因で頭痛が発生するケースも多くあります。
さらに、矯正治療は長期にわたることが多く、痛みや違和感が日常的に続くことで、精神的なストレスが蓄積しやすくなります。このような精神的なストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、緊張型頭痛や片頭痛の原因にもなります。特に、矯正器具の調整や痛みのストレスで睡眠が妨げられると、疲労や体調不良が悪化し、頭痛の頻度や強さが増すことがあります。

矯正治療中の頭痛を少しでも和らげるために、いくつかのセルフケア方法をご紹介します。
日常生活に取り入れやすく、即効性が期待できるものをピックアップしています。ぜひ試してみてください。

頭痛が生じた際に、首や肩に温湿布や冷湿布を当てると、血行が改善され、筋肉の緊張がほぐれます。温湿布は特に筋肉のこりが原因である場合に効果的で、冷湿布は炎症を抑える効果があります。頭痛のタイプに合わせて使い分けると良いでしょう。

肩に手を置く女性

首や肩のストレッチや軽いマッサージも、筋肉の緊張を和らげる助けになります。特に、肩甲骨周りや首の後ろをほぐすことで、血流が改善され、痛みが軽減されやすくなります。また、ストレッチを行う際には、呼吸を深くゆっくり行うことでリラックス効果も得られます。

矯正治療のストレスや緊張が頭痛の原因になることもあります。
深呼吸や瞑想などのリラックス法を取り入れると、心身の緊張が和らぎます。特に、寝る前に深呼吸や軽いストレッチを行うことで、リラックスした状態で眠りにつくことができ、翌朝の頭痛予防にもつながります。

矯正治療中の頭痛は、体がストレスを感じているサインでもあります。十分な休息と質の高い睡眠をとることで、体の回復力が高まり、頭痛が軽減される可能性があります。特に、寝具や枕の高さなどを見直すことで、首や肩への負担を減らし、快適な睡眠環境を整えることが重要です。

頭痛の原因の一つとして、水分不足が挙げられます。
矯正治療中は、痛みや不快感でつい水分摂取が疎かになることもあるため、意識してこまめに水を飲むよう心がけましょう。
特に、カフェインやアルコールの摂取を控え、水分補給をしっかり行うことで、頭痛の予防にもつながります。

首の横伸ばし

  1. 椅子に座り、片手を頭の横に添えます。
  2. 手で軽く頭を横に倒し、首の側面を伸ばします。この時、反対側の肩を下げるよう意識しましょう。
  3. 片側を20秒間伸ばしたら、反対側も同様に行います。

首の前後ストレッチ

  1. 椅子に座って背筋を伸ばし、顎を軽く引きます。
  2. ゆっくりと頭を前に倒し、後頭部を手で軽く押さえながら、首の後ろを伸ばします。
  3. 10〜15秒キープしたら、頭を元に戻し、今度はゆっくりと後ろに倒して首の前を伸ばします。

肩甲骨回し

  1. 両肩を耳に近づけるように引き上げ、そのまま肩を後ろに回します。
  2. 後ろに回した肩甲骨を寄せて、肩を下ろします。これを10回繰り返し、血行を良くします。

肩甲骨の引き寄せ

  1. 両腕を肩の高さで前に伸ばし、肘を曲げて手を肩の高さで合わせます。
  2. 胸を張りながら肩甲骨を引き寄せるように腕を外側に開きます。
  3. 10秒間キープし、元の位置に戻します。これを5〜10回繰り返します。

矯正治療中の頭痛は、多くの方にとって辛い悩みの種ですが、セルフケアの実践で軽減できる場合があります。今回ご紹介した方法は、手軽に取り入れられるものばかりなので、日常生活の中で無理なく行ってみてください。特にストレッチやリラックス法を習慣化することで、頭痛だけでなく、体全体の健康維持にも役立つでしょう。それでも頭痛が続く場合や強い痛みがある場合は、専門医に相談して適切な対処を行うことをお勧めします。

この記事を書いた人

マウスピースを常時使用する皆様に有益な情報を少しづつアップしていきます。

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