舌癖(ぜつへき)―舌の悪い癖が歯並びに与える影響とは?―

舌を出す元気な赤ちゃん

普段、無意識のうちにしている「舌の位置」や「舌の動かし方」が、実は歯並びや口元のバランスに大きな影響を与えることをご存じでしょうか?
「舌癖(ぜつへき)」とは、舌に関する悪い癖のこと。
この癖が長期的に続くと、歯並びの乱れだけでなく、発音の障害や口呼吸の原因にもつながる可能性があります。
白元アースでは、マウスピースケアを通じて口腔環境の健康維持をサポートしている立場から、舌癖が及ぼす影響や改善方法について、わかりやすく解説いたします。

目次

舌癖とは、舌が本来あるべき正しい位置にない状態が習慣化してしまっていることを指します。
たとえば、以下のような状態が舌癖とされています:

  • 口を閉じているとき、舌が前歯の裏に触れている
  • 飲み込むときに舌が前に押し出される
  • 会話中、舌が前に出るような動きをする
  • 舌が下の歯の裏に常に接している
  • 無意識に舌で歯を押している

このような癖は、特に幼少期の癖が成長しても残っているケースが多く、矯正治療中の方や口呼吸傾向のある方にもよく見られます。

舌癖が歯並びに与える主な影響

舌は非常に強い筋肉でできており、弱い力でも継続的に歯に圧力がかかると、歯の位置が変わってしまうことがあります。以下は、舌癖による代表的な悪影響です。

出っ歯(上顎前突)

舌で前歯を押す癖があると、上の前歯が前方に押し出され、出っ歯のような状態になります。

開咬(かいこう)

奥歯は噛み合っているのに、前歯が閉じない状態。舌で前歯の裏を押すことでこの噛み合わせの異常が起こります。

歯列のガタつき(叢生)

舌で左右どちらかに偏って押す癖があると、歯が片側に寄ってしまい、歯並び全体が崩れてしまいます。

発音障害

「さ行」や「た行」などの発音時に舌がうまく動かず、舌足らずな発音になることもあります。

舌癖と口呼吸・いびきの関係

舌癖があると、舌が正しい位置(上あごの内側)に収まらず、常に下がった状態になる傾向があります。すると、口が自然と開いてしまい、「口呼吸」になりやすくなります。
口呼吸は以下のような問題を引き起こします:

  • 口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなる(口臭・虫歯・歯周病の原因)
  • 睡眠時に舌が喉に落ち込みやすく、いびきの原因になる
  • 唇が乾燥して荒れる
  • 表情筋が衰え、フェイスラインのたるみにつながることも

つまり、舌癖は歯並びの問題だけでなく、美容や健康にも大きな影響を与えているのです。

舌癖のセルフチェック方法

自分に舌癖があるかどうか、簡単なセルフチェックをしてみましょう。
▢ 口を閉じたとき、舌が上あごに触れていない
▢  飲み込むときに舌先が前歯に当たる
▢ ふとした時に舌で歯を押している
▢ 発音が不明瞭、舌足らずと指摘されたことがある
▢ 無意識に口が開いていることが多い
3つ以上当てはまる場合、舌癖の可能性があります。

舌癖を改善するためのポイント

舌癖は、習慣の積み重ねによって起こるため、日常的な意識づけとトレーニングが大切です。

舌の正しいポジションを知る

舌の正しい位置は「上あごのスポット」と呼ばれる場所。上前歯の少し後ろ側、口を閉じたときに舌が軽く吸い付くような位置が理想です。

MFT(口腔筋機能療法)を取り入れる

歯科医院などで指導されるMFTは、舌や口まわりの筋肉を整えるためのトレーニング法。簡単な舌の体操などを通じて、正しい舌の動きが身につきます。

マウスピースを併用する

歯科医の指導のもと、就寝時にマウスピースを装着することで、舌の位置を正しく保ちやすくなり、舌癖の改善につながる場合もあります。

舌やマウスピースの衛生ケアも忘れずに

舌苔(ぜったい)や装置の汚れは、口臭や感染症の原因にも。白元アースの洗浄液などを活用し、口腔環境を常に清潔に保つことも、改善への第一歩です。

白い歯で微笑む女性のイメージ

「舌癖(ぜつへき)」は、日々の小さな癖が積み重なることで、歯並び・噛み合わせ・発音・口元の印象にまで影響を及ぼします。
特に矯正中の方、口呼吸の自覚がある方、口元に悩みを抱えている方は、舌の使い方を一度見直してみることをおすすめします。
正しい舌のポジションとケアを意識することで、歯並びはもちろん、口元の美しさと健康を守ることができます。
まずは、日常の小さな意識から始めてみませんか?

目次